社労士と中小企業診断士の相性は?ダブルライセンスの利点と難易度比較

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のんびり社労士いけい

「社労士と中小企業診断士のダブルライセンスのメリットは?」

「社労士と中小企業診断士って難易度差はどれくらいなの?」

そんな疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。

どちらも大人気の国家資格ですが、そのダブルライセンスの利点にはどのようなものがあるのでしょうか。

また、それぞれの資格で出来ることや取得難易度にはどのような違いがあるのでしょうか。

ここでは社労士と中小企業診断士の資格について、ダブルライセンスの相性や資格の難易度、それぞれの取得メリットまで分かりやすく解説していきます!

社労士と中小企業診断士の資格についてざっくり説明すると

  • ダブルライセンスの相性は非常に良い
  • 学習範囲が被っているので同時取得がしやすい
  • 社労士と中小企業診断士の難易度は同程度

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社労士と中小企業診断士のダブルライセンスの相性

社労士や中小企業診断士などの士業は毎年多くの方が受験する人気の資格ですよね。しかし、AI社会の到来による事務手続きの減少や、高齢化による長期的な中小企業の減少により、資格をもっているだけでは不十分になる可能性があると言われています。

そこで推奨されるのが、ダブルライセンスです。

ダブルライセンスといっても、ただ単に2つの難関資格を取得してもそれぞれの資格を活かしきれない場合もあるので、資格の相性はとても大事になってきます。まずはダブルライセンスをする2つの資格を決める上で大切なポイントをご紹介しましょう。

  1. 単なる難関資格のダブルライセンスではないということ
  2. 中長期的な需要が見込めること
  3. 顧客に対しての信頼性を高めていること
  4. 相互に補完的な役割を果たすこと

そして、この4つのポイントをクリアしている極めて相性の良い資格が社労士と中小企業診断士のダブルライセンスと言えるのです。

単なる難関資格のダブルライセンスでないこと

難関資格の取得は、ものによっては年単位で勉強期間が必要になり時間的なリソースを消費します。

また、例え難関資格同士のダブルライセンスだとしても、それが確実にビジネスチャンスの拡大に繋がるという保障にはなり得ません。

一方、社労士と中小企業診断士のダブルライセンスには確実な需要があるだけでなく、双方の受験範囲には一部被りがあるのでダブルライセンスする時の資格取得のハードルが低くなります。

そのため、時間とお金という限られたリソースを節約する事が出来るのです。

資格試験の親和性も高い!

中小企業診断士の一次試験には社労士の試験に似通った部分があります

一次試験の試験範囲には『企業経営理論』という範囲があり、その科目に含まれる『組織論』では労働保険関係の法律問題が必ず出題されます

一般的に中小企業診断士のみを受験する人は、労働保険関係の基礎内容を覚えるだけで、それらの問題はハナから諦めた状態で受験します。

しかし社労士を既に取得している方であればその範囲は学習済みであり、最大8点もの得点を取ることが出来るので一次試験の突破が有利になるのです。

中小企業診断士の二次試験でも同様に、組織に関する問題が出題されます。主にコンサルティングに関する試験内容になっていますが、それでも社労士試験で覚えた知識は役に立ちます

実際、二次試験で組織の問題を落とす受験生は多い傾向にありますが、社労士の方で問題なく回答できるはずです。

各試験の詳しい試験内容は以下の記事をご覧ください。

中長期的な需要が見込めること

昨今、企業では働き方改革などで社内での労働環境(残業代の不払い、有給休暇の未取得など)の改善を迫られており、社労士の3号業務としてコンサルティングの需要が高まっています。

そのため、経営的な視点を持てる中小企業診断士とのダブルライセンスによりコンサルティング能力を強化すると広く重宝されるのです。

また、こういった労務関係と経営を併せ持った高いコンサルティング能力は、短期的でなく長期的な需要が見込める上に、企業診断は守備範囲が広いのでつぶしが効く将来性のあるダブルライセンスだと言えます。

各資格の将来性の詳細は以下の記事をご覧ください。

顧客に対しての信頼性が高まるか

社労士は、需要が高まりつつある士業であるものの一般的な認知度は低い資格です。一方で中小企業診断士は、知名度の高い資格となっています。

この様な資格同士のダブルライセンスを行うと、顧客に直接アプローチする場面での信用が高まります

特に、社労士のように特定分野に特化したコンサルティングを行うような場合は、中小企業診断士と併せ持っているとブランディングになるので有利に働くでしょう。

その資格が相互に補完的な役割を果たすか

社労士の独占業務は、1号・2号業務(各種書類の作成と提出代行)なのですが、実際に労務関係で最も求められているのは3号業務(コンサルティング)となっています。

具体的には労働時間や労働環境に関する相談や指導などが含まれますが、実際にこれら諸問題を解決するには経営全般を俯瞰する能力が求められます。

そのため、コンサルティング能力を持ち合わせる中小企業診断士とのダブルライセンスは非常に相性が良いのです。

社労士と中小企業診断士のダブルライセンスを推奨する理由

社労士と中小企業診断士のダブルライセンスによるメリットは、ビジネスチャンスの拡大と中長期的な需要が見込める点にあります。これらを裏付ける理由には、以下のようなものがあります。

事務手続きは減っていく

ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)というのを聞いたことがあるでしょうか。簡潔に述べると、AIなどの技術を備えたソフトウェアがデスクワークを代わりに行うことを言います。

これらの技術の発展により、もともとデスクワークなどで行っていた業務は徐々にRPAツールに取って代わられています

この様な流れは、独占業務を持っている社労士を含む士業でも、他人事ではありません

実際に、2018年度から社会保険や労働保険などの各手続きは、電子申請で行えるようになっている他、手続きの簡略化が図られており、単純な事務手続きは確実に減少していくことが予測されています。

そのため、社労士の資格を持っていたとしてもそれだけでは職がずっと保証されているとは言えないのが現状です。

中小企業数の減少

社労士や中小企業診断士の顧客は主に中小企業となっていますが、その数は年々減少傾向にあります。その理由として挙げられるのは、中小企業の経営者の高齢化によりそのまま廃業しているためで、しかもその流れはこれからも続くことが予想されます。

これに伴って顧客を巡る集客競争は激化していきます。顧客に選ばれる士業になるためにも、ダブルライセンスによるプラスαの付加価値は非常に大切になってきます。

社労士と中小企業診断士の難易度比較

さて、社労士試験と中小企業診断士試験の難易度はどの程度なのでしょうか。それぞれ取得するために必要な平均勉強時間と合格率を以下の表に示します。

資格 勉強時間 合格率
社労士 約1000時間 約6%
中小企業診断士 約1000時間 約4%

以前は中小企業診断士の方がやや高いとされていましたが、ここ数年で社労士の難易度も高くなっています。そのため、現在はどちらもほぼ同程度と言うことが出来ます。

では、実際にかかる勉強時間や合格率を見ていき、どの程度の難易度なのか確認していきましょう。

社労士試験の難易度・合格率

社労士の試験範囲は8科目もあり、その他の資格と比べて科目数は多くなっています

そのため、勉強時間は約1000時間程度(1日3時間勉強でも1年弱必要)で、多くの場合1~2年は試験勉強を行うことが求められます。

合格率は約6%台と一桁に留まっていますが、試験の申込みをしたものの勉強が間に合わず、とりあえず受けにだけ来るケースが意外と多いので、実際にはもう少し合格しやすいと言えるかも知れません。

とはいえ、社労士試験の難易度は偏差値60程度とされているので、やはり侮れない難易度と言えるでしょう。

社労士試験の難易度は以下の記事を詳しくチェックしてください。

中小企業診断士試験の難易度・合格率

中小企業診断士の勉強時間には約1000時間程度が必要とされ、社労士とほぼ同じスケジュールでの試験勉強が求められます。

試験の合格率に関しては、合格率約4%台と社労士試験よりも少し低くなっています。

試験は1次試験と2次試験とに分かれており、2次試験では応用力が求められるので、本当に中小企業診断士としての知識が蓄積されているのかが試される様になっています。

中小企業診断士の難易度は以下の記事を詳しくチェックしてください。

社労士と中小企業診断士の仕事の違い

仕事をする人

社労士と中小企業診断士のダブルライセンスは、補完的な役割を果たすので有効とされています。では、それぞれの資格で行う仕事とはどの様な違いがあるのでしょうか。

社労士の仕事内容

社労士は労務のスペシャリストであり、それにまつわる法律の専門家と言えます。そのため、仕事内容は労務関係の各種手続きの他、労働環境改善の為の提案や相談といったコンサルティングなども業務に含みます。

前者の仕事に関しては、所謂独占業務(1号業務および2号業務)となっています。

後者の仕事(3号業務)は独占業務ではないものの、労働・社会保険諸法令に関する豊富な知識をもって人事コンサルタントが行えるので、企業間での需要が高くなっています。

社労士の仕事内容は以下の記事をチェックしてみてください。

中小企業診断士の仕事内容

中小企業診断士は独占業務を有していませんが、国から認められた経営のプロフェッショナルなので、中小企業の経営コンサルタントとして活躍することが出来ます。

社労士同様幅広い専門性が強みですが、最も重要視されるのはその深い知識に裏打ちされた経営に対する思考力です。

情報化・技術革新など、目まぐるしく変わる情勢において、経営的視点でヒト・モノ・カネの具体的な問題解決を提示するので、中小企業の良きパートナーともなる存在です。

そのため、社労士という需要が高まりつつある士業とのダブルライセンスを行っておけば、顧客にコンサル能力があることを証明を出来るので、信頼性の得やすくビジネスチャンスを広げやすくなります。

中小企業診断士の仕事内容は以下の記事をチェックしてみてください。

片方取得するならどっちがおすすめ?

はてなマークの写真 単純に士業としてやりくりが楽なのは、独占業務がある社労士と言えます。しかし、社労士の独占業務である1号・2号業務はAIに取って代わられることが予測されており、3号業務であるコンサルティングのほうが需要が高まっている現状があります。

そのため、今後の社労士のあり方として、より高付加価値のコンサルティング(3号業務)を提案できないのであれば、他の社労士との差別化も図れないので、単独での資格取得では将来性に心細さが残ります。

一方、中小企業診断士は学習する範囲が広く、加えてコンサルタントとしての思考力が求められるので、幅広くビジネスで活躍することが出来ます。

事実、資格として知名度が向上するにつれて、日本版MBAと言われるほど企業間で重宝される存在になっています。

したがって士業として活躍のスタートが切りやすいのは社労士ですが、将来性の高さに注目すれば中小企業診断士に軍配が上がります。

士業資格試験合格のための勉強法

ノートとペン 社労士も中小企業診断士も約1000時間の勉強時間が必要とされており、計画的かつ有効な勉強方法が欠かせなくなっています。

では、この様な長期間の勉強が求められる士業資格では、どの様な勉強方法を行うのが有効なのでしょうか。

絶対に押さえておくべき勉強のポイント

難関士業資格試験合格のためには、学習スケジュールを必ず立てる勉強は1~2科目ごとに行う問題集を使い倒すことが重要です。

無駄に時間を費やさない為にも、しっかりと戦略的な学習を行うことが重要です。

学習スケジュールを必ず立てる

平均して約1000時間の勉強時間を必要とするので、必ず学習スケジュールを立てることが必要です。

大まかなスケジュールの範疇で勉強を行いますが、勉強を進めるにしたがって得意・不得意、進行具合が遅れる事も考えられるので、その都度リソースを割きながら勉強を進めて行くようにしましょう。

勉強は1~2科目ごとに進める

範囲が広いと複数科目を同時進行するほうが良いように思いますが、科目ごとに知識を整理しやすくするためには、勉強は1~2科目ごと行うほうが効率が良くなります

こうすることによって知識の定着が良くなる効果他に、3つ以上の科目を同時進行することで起こる知識の混乱を防ぐことが可能になるので、かえってスケジュール通り勉強が行えるようになります。

問題集を使い倒す

問題集を繰り返し解き続ける勉強法は、士業資格試験合格でも有効な勉強法です。実際に、問題集を丸暗記して得点を稼ぐ事も出来るので、やっておいて損はありません。

また、問題集対策は問題の出題傾向を把握出来る勉強法ですが、サンプルが少ないと対策として効果が薄くなる恐れがあるので、過去5年分以上まで遡って勉強しておくことが必要です。

士業の資格を目指すなら通信講座がおすすめ

難易度の高い士業系の資格を目指すのであれば、独学よりも圧倒的に通信講座がおすすめです。

事実、士業系の資格を独学で合格する方は非常に少なく、多くの方が予備校や通信講座を活用しています。

独学で何年もかけて合格しても、時間の浪費を考えればデメリットの方が明らかに大きい上に、そもそも合格できずに途中で挫折してしまう可能性が高いです。

通信講座では「学習範囲を絞る」「学習スケジュールの管理」「講義による内容理解」「自分の理解度の把握」「質問対応」など、独学では難しいポイントをしっかりカバーしてくれます。

通信講座業界は合格率・価格競争が激しいので、質の高い講座をリーズナブルな価格で受けられるのも大きな魅力です。

社労士試験におすすめの通信講座は?

資格Timesでは「フォーサイト」の通信講座を1番おすすめしています。

フォーサイトは教材や講義の質が高いのはもちろん、特許を取得したeラーニングシステムによる「場所や時間を選ばない学習」が可能な点が魅力的です。

その効果を表すかのように、フォーサイト受講生の合格率は全国平均の4.23倍となっています(2022年度試験結果)。これは数ある社労士講座の中でも業界トップクラスの合格実績です。

社労士の通信講座受講を考えている方であれば一度はチェックしておくべき講座です。

フォーサイトの公式サイトはこちら

中小企業診断士試験におすすめの通信講座は?

中小企業診断士を目指す際は一発合格を主眼におくのか複数年かけて合格を目指すのかでおすすめの通信講座が変わってきます

通信講座をご検討される際は、まずはそれぞれの講座の特徴を知るのが良いでしょう。

中小企業診断士の通信講座は以下サイトで比較することができます。

社労士と中小企業診断士の相性まとめ

社労士と中小企業診断士の相性まとめ

  • ダブルライセンスによりコンサルティング力の向上が狙える
  • 事務手続きの減少にも対応できる
  • いずれも難関資格なので通信講座の受講が望ましい

社労士と中小企業診断士のダブルライセンスや難易度差について説明しました!

社労士と中小企業診断士のダブルライセンスは需要を見据えた専門性の高いコンサルティングが行えるので、非常に相性が良いことが伺えました。

また、試験勉強も比較的行いやすいので、計画的なスケジューリングを行えば、現在の仕事と並行して無理なく資格取得を実現できるでしょう。

資格の取得を目指す際は無理に独学で合格を目指さず、通信講座を活用して一発合格を勝ち取りましょう!

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