マンション管理士ってどんな仕事?業務内容や就職先・将来性まで徹底解説!

「マンション管理士ってそもそも何なの?」

「マンション管理士って具体的にどんな仕事内容なの?」

このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?

マンション管理士は、マンションを管理する上で様々な方面から頼られる仕事です。

「仕事がない」と言われてしまうこともありますが、就職先や仕事のやりがい、また将来性があるのかなど、気になることは多いですよね。

そこで資格Timesではマンション管理士の仕事について、具体的な業務内容から今後の需要、独立開業の実態まで分かりやすく解説します

マンション管理士の仕事ついてざっくり説明すると

  • マンションの快適な暮らしのために働く仕事である
  • 管理会社や不動産会社が主な就職先
  • 需要が尽きることはなく、将来性は豊か

マンション管理士ってどんな仕事?

様々な疑問

マンション管理士とは、その名の通りマンション管理のスペシャリストです。

近年は新築マンションが増えマンション数そのものの増加に伴い、大規模な修繕計画や住民間のトラブルなど、マンション管理で様々な問題が発生しています。

このような様々な問題を解決し、管理を改善するために生まれたのが「マンション管理適正化法」であり、その施行に伴って生まれたのがマンション管理士の資格なのです。

比較的歴史が浅い資格なので、今後取得者が激増する可能性があります。

マンション管理士の仕事は、マンションの住人や管理組合に適切なアドバイスや指導を行うことであり、専門知識が要求されます。

マンションの供給が増え続けている今、非常にニーズが高まっている資格なのです。

マンション管理士になるには

マンション管理士になるためには、まずは試験に合格し、その後マンション管理士登録をする必要があります。

つまり試験に合格しただけでは単なる「試験合格者」にすぎず、マンション管理士として仕事を行うことはできません。

マンション管理士国家試験の難易度は高く、合格率は8%前後とかなりの難関であることが分かります。

そのため、独学で取得を目指す人は少なく、予備校や通信講座を利用して合格を目指すのが一般的です。

不動産業界での活躍を希望し、確実に合格を目指したい人は迷わず予備校や通信講座の利用を検討しましょう。

マンション管理士の業務内容

様々な業務

こちらで、具体的にどのような業務を行っているのかを解説していきます。

コンサルティング業務がメイン

主な収入源は、単発型のコンサルティング業務と、管理組合の役員として働き運営などを補助して得る顧問料に大別されます。

多くのケースだと、単発型よりも継続的に収入を得られる顧問としての働き方が多いです。

気になる顧問料の相場ですが、国土交通省の統計によると「不明・その他」の項目を除くと、外部役員への月額報酬は「5万円未満」とした解答が50%を超えています。

当然、この金額は十分な報酬ではないため、生活していくためにはより多くの顧問契約を獲得しなければなりません。

また、顧問契約ではなく単価の高い大規模修繕などのコンサルティング業務を行って稼ぐ人もいるようです。

しかし、大規模修繕は頻繁に行われるイベントではないため、大きなコンサルティング業務は同じマンションからは数年に一度しかありません。

つまり、安定した給料を得るためには顧問料を得るということが重要なのです。

独占業務は存在する?

残念ながら、マンション管理士に独占業務は存在しません。

あくまで「名称独占資格」となっており、マンション管理士でないものがマンション管理士と名乗ったりそれに近しい紛らわしい名称を用いることが禁じられているにすぎません。

そのため、商標などで守られている民間資格より権威性が高いものの、資格の保持者しかできない業務は無いのです。

また、管理組合のためにコンサルティングをする業務は、法律上は誰が行っても問題はなく、誰に任せるかという判断はそのマンションに住む住人全体の意見として管理組合などが決定します。

結果的に、「個人的な知り合い」という薄い理由などで資格の無い人が選ばれることはあまりなく、有資格者の仕事が奪われることはほとんど無い、というのが実態です。

マンション管理士の就職先

鳥と紅葉

この資格の名前を聞くと、「就職先や求人はマンション管理会社くらいしか無いのではないか?」思われる方も多いかもしれませんが、それは大きな間違いです。

管理会社の業務内容は、管理組合に委託され日常的に清掃作業やエレベーターの点検などをするものであり、マンション管理士の業務とは異なります。

マンション管理士は、管理組合の依頼の度に来て運営のためにマンションの構造や住民の意見など様々な観点から専門的なアドバイスをするのが仕事なのです。

また、マンション管理士は管理会社が不当にお金を請求してないかなどをチェックする業務もあり、言わば管理会社と敵対する立場にあるのです。

それでは、具体的にどんな求人があり、どんな企業に就職するケースが多いのでしょうか?

マンション管理士事務所に勤める

将来的に独立する夢を持っている人は多いですが、資格に合格していきなり起業するのは現実的ではありません。

まずは実務経験を積んだり事務所の運営方法などを学ばないといけないため、マンション管理士事務所に勤務してコツコツと経験を積むという選択肢があります。

この場合、いきなり高収入を狙うことは難しいですが、経験豊富な先輩からマンション管理やトラブル解決のノウハウを得ることができることが大きなメリットです。

その結果、自らのスキルアップに繋がるためとても有意義なキャリアとなるでしょう。

また、勤務型であっても難関資格所有者として自己裁量権が与えられるため、成長に応じて給与増が見込めるため金銭面のメリットも大きいと言えます。

地域密着型の不動産屋さんに勤める

マンション管理士の法律知識は不動産の営業などでも生かすことができます。

しかし、ここで注意が必要です。

業界大手の不動産会社は求人も多く出ているためまずはそこに勤めるという選択肢もありますが、いわゆる「マンション管理士の仕事」は大手ではあまり扱っていないため、資格を得たメリットが出にくいという問題があるのです。

一方、あまり規模の大きくない地域密着型の不動産屋では、その地域でのあらゆる不動産に関わる仕事を行う傾向があります。

そのため、最近は人材難などの背景もあり、マンション管理士のような確固たる信頼が得られ、不動産に関する深い法的知識を持っている人材は評価されやすく、需要が大きいのです。

また、小規模な不動産屋ではマンション管理士の資格を持っていれば稼ぎの中心となることもでき、キャリアアップが早く様々な経験が積めるというメリットもあります。

マンション管理士は独立開業できる?

男性の疑問

就職先を解説してきましたが、独立開業することは可能なのでしょうか?

マンション管理士は独立しやすい

マンション管理士は、独占業務は無いものの独立しやすい資格です。

このような士業は、自分を信用してもらい、自分の考え・アイディアを買ってもらう仕事です。

そのため、「自分」という商品を営業するため、信頼感であったり実務能力といった価値を高めることができれば収益につながり、運営にあたり高額なお金がかかるものがほとんどないのです。

また、業務内容のコンサルティングも、自分にある程度のノウハウを蓄積しておけば、自分ひとりで商売をすることができます。

人を雇用しなくても事業を展開することができるため、人件費も負担を抑えることができます。

その結果、他の士業では起こりがちな「人を雇ったのに給料が払えない」といったトラブルが少なく、開業しやすいメリットがあるのです。

開業すれば超高年収も目指せる

この資格が生まれたのが2001年で、他の士業と比べても歴史が浅く認知度が劣る面もあります。

また、受験者数は多いものの難易度が高いため、合格者自体が少なくまだ業界そのものが発展段階にあります。

したがって、まだ「マンション管理に関しては外部専門家に仕事を任せたことがない」というマンションも多く、他の士業と比べ参入しやすい市場なのです。

このような外注経験がないマンションを見つけて仕事を集めることができれば、1000万円を超えるような超高年収も実現可能です。

ここで重要なのは、マンション管理士としての実務経験や実績、またコミュニケーション能力です。

当然のことながら、仕事を受ける際には営業活動をしなければならないため、業界が発展途上の内に営業スキルなどは磨いておいたほうが良いでしょう。

マンション管理士の年収は?

気になる収入

マンション管理士は「仕事がない」「年収が低い」と噂されることが多いですが、実際はどうなのでしょうか?

資格手当がつくことも

宅建士やマンション管理士は資格手当の対象になりやすいです。

不動産業界で働いている場合は、試験に合格し現在の勤務先から資格手当をもらうことができれば、簡単に収入を増やすことができるのです。

資格手当の相場は5000~20000円だったりとまちまちですが、こうした直接的な収入アップが期待できるのは嬉しいですね。

加えて、資格を持っていることで信頼感が増し、重要な案件を回されやすくなるなど昇進・昇給の機会が増えるでしょう。

このように資格手当と昇進による金銭的メリットが期待できます。

年収は400万円とも

マンション管理士の年収は400万円ほどと言われており、実際の求人を見ても概ね400万円前後で間違いないでしょう。

しかし、これは正式な統計ではなく、不動産会社に勤めている人の平均であるためばらつきがあると予想されます。

この低い数字の原因は、やはり発展途上の世界なだけあり、資格を手にしても活かせる部署や部門が今の不動産会社には少ないということが挙げられます。

そのため専門性を生かして開業するか、マンション管理士事務所に勤務すれば、資格の権威を活かして平均以上の高年収を狙うことが十分できると言えます。

需要や将来性は大丈夫?

ここで気になるのが需要や将来性です。

マンション管理組合には専門的知識が乏しいため、プロである外部の専門家を活用して大規模修繕などを行いたいという意見も少なくありません。

また、高齢化時代に伴って、管理組合員も高齢化しバリアフリー化などの必要も出てくるため、マンション管理士の需要は増加中なのです。

したがって、今後の人口動態やマンションの着工などを勘案すると、需要の増加は多いに期待でき、需要をいかに契約に結び付けるかという課題さえ乗り越えれば、将来性の非常に高い素晴らしい業界であると言えます。

マンション管理士の仕事と相性の良い資格

喜ぶ女性

開業する場合でも事務所に勤務する場合でも、複数ライセンスのほうが社会的信頼が高く優先的に仕事を得やすいため、非常におすすめです。

管理業務主任者

マンション管理士と管理業務主任者は、学習する内容が9割ほど重複しており、親和性が高く非常にダブルライセンスが狙いやすい組み合わせです。

難易度は合格率20%前後と、管理業務主任者の方がやや簡単で取得しやすいです。

管理業務主任者は、管理会社に勤めることの多い仕事で契約時の説明や書面の記名押印など、有資格者にしかできない独占業務があります。

また、管理会社には、扱うマンションの数に応じた数の管理業務主任者の設置義務が法律で定められており、今後も安定的な需要があると言えます。

住民と管理組合という、対立する二つの立場から物事を見れるようになることで、自分自身の視野を広げることができ会議の場でより建設的な意見を提案できるようになるでしょう。

宅建士

不動産系の資格では最も認知度が高く、顧客から信頼が得やすい資格と言えるでしょう。

宅建は試験範囲も「民法」「建物基準法」「区分所有法」など、マンション管理士と重複している項目も多くダブルライセンスとして目指しやす特徴があります。

なお、合格率は15%程度でマンション管理士と管理業務主任者の中間くらいの難易度と言えます。

宅建は、特に不動産営業の際には必須の資格で、宅建保有の有無で顧客から得られる信頼度が大きく変わります。

また、専門領域である宅建取引関係の知識は、マンションの大規模修繕や共有部分の設備不良などの際に工事業者の選定をしたりすることもあるマンション管理士の業務にも生きることが多いでしょう。

宅建士の需要は非常に高く、資格手当にも直結し給料も高いため、宅建とのダブルライセンスは非常におすすめです。

土地家屋調査士

土地家屋調査士は、土地の分筆や不動産登記に関する各種申請を代行することができ、独占業務を有する資格です。

不動産の状況を正確に登記記録に反映させ、不動産取引の安全の確保・国民の財産を明確にするといった公共性の高い業務です。

マンション管理士で学ぶ区分所有法などの知識がそのまま試験に出題されるため、非常にダブルライセンスがしやすいことが特徴です。

さらに、マンション管理士に加えて土地家屋調査士を持っていることで、マンション管理士としてコンサルティングを行う際に登記に関わる事項まで含めた総合的なサポートが行えるようになるため、顧客への営業面でアピールがしやすいでしょう。

行政書士

行政書士は、民法や行政法などに詳しい「身近な街の法律家」です。

行政書士は1万種類の書類作成に携わることができると言われており、極めて業務範囲が広いため多くの場面で活躍することができるのです。

そのため、行政書士は開業の際に幅広く色々な業務を行うのではなく、自分の得意分野を定めてその分野に特化した業務を専門的に行っていくことが多いです。

行政書士の試験の中心を占める民法は、マンション管理士試験でも多く出題されるため勉強しやすい特徴があります。

マンション管理業界での独立を考える際には、マンション管理士の資格を持っておくことが非常に有効であり、ダブルライセンスは他の行政書士との差別化としても極めて有効となります。

マンション管理士としての独立メリット

招き猫の画像

独立開業することがこの資格の魅力の一つですが、具体的に独立した時のメリットにはどのようなものがあるでしょうか?

老後不安の解消

老後2000万問題や少子高齢化が止まらないなど、年金や老後に関して暗いニュースが多いですよね。

そこで、選択肢の一つとして65歳以上になっても働いて年金以外の収入を作ることが挙げられます。

マンション管理士の資格を生かして独立すると、健康体である限り働き続けることができるため豊かな老後を送ることができるでしょう。

また、マンション管理士は若年層よりも社会経験が豊富なシニア層が求められる場合が多いため、独立は前向きに検討すべきです。

今後の需要の増加を考えると、早めに取得してできるだけ実務経験を多く積んでおくことが得策です。

自分の都合で働くことができる

勤務していると、当然ながら決められた時間に出社しなければなりません。

「通勤ラッシュから解放されたいなぁ」「自分の都合に合わせて働きたいなぁ」などと考えている人は多いのでしょうか?

独立すると、収入などは自己責任となるためプレッシャーはかかりますが、勤務していることによる様々なストレスから解放されます。

特に「会社からふさわしい評価を受けていない」などと考えている人も、独立することでやりがいに満ちた仕事をすることができるようになるでしょう。

マンション管理士の仕事まとめ

マンション管理士の仕事まとめ

  • 住民の役に立つやりがいのある仕事
  • 年収は400万円前後であることが多い
  • マンションの増加に伴って今後も需要が増える
  • 就職にも役立ち、独立開業も十分に可能

「仕事がない」などと言われることもあるマンション管理士ですが、求人も多く就職先も様々考えられることがお分かりいただけたと思います。

むしろ需要も将来性も豊かで、取得メリットが非常に多い魅力的な資格なのです。

今後も発展が見込まれる業界なので、ぜひ積極的に取得を目指してみてください!

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