未経験・資格なしで経理事務になれる?転職成功のために取得すべき資格を紹介

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資格なしでも経理事務に転職できる?

未経験だけど経理事務の職に就きたい!

このような疑問をお持ちの方も多いと思います。

事務職全体で見ても、求人倍率は非常に高く、競争は激しいです。

中でも経理事務を目指す方は多く、採用選考を有利に進めるためにも様々な資格を取得しておくと有利になることは間違いありません。

しかし、資格なしの状態で経理事務を目指そうとしている方も多いでしょう。

こちらの記事で、未経験もしくは資格なしの状態から経理事務になるにはどうすればいいのか、また取得しておくと有利な資格を紹介していきます。

資格なしでも経理事務へ転職できる?

様々な資料

結論から言うと可能です。

経理は企業のお金を管理する職種であり、他の事務職よりも専門性の高い仕事を担当する傾向にあります。具体的な業務としては税金対応や給与管理、決算などの書類作成などが挙げられます。

しかし実際は、経理の求人の中には、「資格なしOK」の記載がある会社も存在します

今の職場に不満があり、「転職したい」と考えているなら、資格の有無に関わらずできるだけ早めに取り組むことがおすすめです。若い年齢であることも、転職でアドバンテージとすることができます。

現在資格なしの状態であっても、経理事務への転職に向けて早いうちから準備を進めれば、実現できる可能性は高いと言えるでしょう。

ただ、資格を取る余裕がある場合、取得によって転職が有利になる可能性は高いです。自分の時間と相談しながら、余裕があれば経理事務に有利になる資格の取得を目指すと良いでしょう。取得がおすすめの資格については、この記事で紹介しています。

未経験ならまず経理の仕事を知ろう

もし未経験で経理事務を目指している場合には、まず経理の事務がどういったことを仕事としているのか、どういったスキルが必要なのかなどを把握しておきましょう。

経理の主な仕事内容

経理の主な事務作業としては以下のようなものが挙げられます。

仕訳などの日次業務

経理事務の最も大事な仕事は、仕訳と呼ばれる現金の出入りと預金口座の出入りを確認することです。

また、それに伴う納品書や請求書の発行やチェックも必要になるため、多くの企業において経理事務員は求められています。

伝票や帳簿類は保管の義務が法律で定められているため、コンプライアンスを遵守するためにもきちんと整理して保管することも大切な仕事です。

お金の流れをしっかり把握することはどの企業においても重要な仕事ですが、このような日次業務の積み重ねを正確に積み重ねることが大切です。

売掛金を管理する月次業務

日次業務の次は、請求書の発行や売掛金の管理、仕入れや経費の支払いの管理を行います。

売上は通毎月締日に売上請求書を発行して支払日に集金し、仕入れや経費は仕入れ請求書等に基づいて支払日にきちんと支払いをしなければなりません。

月末には試算表と損益計算書を作成するのが一般的であり、このような月次業務も経理事務員の大切な仕事です。

株主総会を含む年次業務

日本の多くの企業は9月に中間決算、3月に期末決算が行われます。

企業は期末決算の2か月以内に決算の集計業務を終わらせて、税務署に決算申告をして各種の税金も期限までに納付しなければなりません。

また、会社によっては決算日から3カ月以内に株主総会を開催する義務があることから、この時期は経理担当者にとって非常に忙しい時期となります。

株主に対して企業の経理状況や財務状況を報告して信頼を得ることは非常に重要なので、大きな責任を持って業務に取り組まなければなりません。

企業によって仕事が異なる

経理は企業によって大きく仕事が変わる傾向にあります。 ここでは大きく企業規模に分けて仕事内容の違いを説明していきます。

大企業や上場企業は専門性が大事

会社の規模が大きい場合は業務が細分化されていることが多く、経理事務の中でも経理・財務・決算などの部署が分かれているのが一般的です。

つまり、仕事の範囲が狭まった分、自分が担当する分野での専門性を高めることができます。

自然と専門的な知識を身に着けることができる点が、大企業で勤めるメリットと言えるでしょう。

中小企業は仕事が幅広い

一方で、中小企業の場合は経理部として経理・財務・決算などの事務を一挙に行うことが一般的です。

大企業とは違って専門性よりも幅広い経理の知識やスキルが求められると言えるでしょう。

また、中には総務などの管理部門が一緒になって総務の仕事を一緒に行うこともあります。

このように、幅広い事務スキルを習得できる点が中小企業で勤めるメリットと言えます。

外資企業は海外とのやりとりも

外資企業の場合は、日本国内での税務申告用の決算に加えて海外の親会社への決算報告も必要となります。

親会社とやりとりするためには当然英語を使うことになるため、一般的なビジネス英語のスキルが必要になる場合も多いです。

英語力に自信がある方や英語のスキルを高めたいと考えている方は、外資企業に勤めるのも有力な選択肢と言えます。

経理事務の所属先とポジション

経理事務として働く場合、所属先やポジションはどうなるのでしょうか。ここでは一般的な所属先とポジションについて解説します。

部署が分かれている場合

大企業でよくあるケースですが、経済や財務で部署が分かれている場合はそれぞれの部署で専門的な作業を行うことになります。

その部署に特化した専門性が求められることになるため、まずは配属された部署の仕事内容をしっかりと理解することが大切です。

経理部は全般を取り扱う

経理部の場合は、経理に関わる全ての業務を行うケースが多いです。

経理と一言で言ってもかなり業務の幅は広く、様々なスキルを身に着けておかないと実務で生かすことができません。

そのため、経理全般の幅広い知識とスキルを習得することを心掛け、常にスキルアップを目指す姿勢が重要です。

一般事務を行うことも

中小企業では、経理の仕事だけでなく電話応対や来客などの一般事務の仕事まで任されることがあります。

その場合は事務に関する幅広い知識が必要となるため、異業種での経験も活かしやすいと言えるでしょう。

また、一般的なビジネスマナーを身に着けていると高評価を得やすいため、秘書検定などの資格を取得しておくことをおすすめします。

他の事務職との違い

一般事務

一般事務では、書類の作成やファイリング、データ入力、電話応対や来客応対などが具体的な業務内容として挙げられます。

雑務や庶務のような業務が多く、専門職に分類できないような幅広い仕事を一般事務と呼ぶことが多いです。

地味で裏方作業が多いですが、企業活動においてはこのような部署の存在が不可欠なので、大切な仕事と言えます。

営業事務

営業事務は、必要書類の作成や商品の管理などを通して、営業職の人々をサポートすることが主な業務です。

基本的には営業部門に配属され、反響電話の応対や来客応対を行います。

また、不動産の世界では、宅建士を取得している営業事務員は契約締結の場などに足を運んで営業員をサポートすることもあるため、特定の資格を取得していることで有利になるケースが多々あります。

総務事務

総務事務は会社の運営において必要なものを管理しており、文房具などの消耗品やパソコン・デスクと言った備品の管理などを行っています。

また、オフィスの防犯・防災管理の対策も担当することがあり、一般事務と同じように全般的な庶務業務を任されることが多いです。

社内外のイベントや社員の冠婚葬祭に関する対応、健康保険などの福利厚生に関する事務を行うこともあるため、業務の幅は非常に広いです。

経理事務の1日のスケジュール

それでは、経理事務員の1日の仕事のスケジュールの一例を紹介します。

時刻 仕事内容
9:00 出勤。1日の予定やメールを確認、小口現金や帳簿の準備
9:30 経費の精算、仮払金の処理、領収書の整理
11:00 各種伝票の起票・整理
12:00 お昼休憩
13:00 売掛金の入金・支払い状況の確認、出入金確認、通帳記帳と残高確認
15:00 会計ソフトを使った仕訳業務
16:00 処理が終わった請求書や領収書などを整理
17:00 明日の準備をし、退勤

なお、これに加えてや月末・月初には月次決算関連業務、期末・期首には年次決算関連業務が発生するためいつも以上に忙しくなりがちです。

未経験から転職した場合の収入

それでは、経理事務員として働いた場合の収入について、他の事務の仕事と比較しながら見てみましょう。

<事務の職種別年収ランキング>

順位 職種 年収
第1位 人事(労務)事務 506万円
第2位 経理事務 491万円
第3位 総務事務 466万円
第4位 貿易事務 369万円
第5位 営業事務 327万円
第6位 一般事務 329万円
第7位 医療事務 292万円

次に、経理事務員の年収について、実務経験の年数ごとに紹介していきます。

なお、以下の表は簿記2級の資格がある状態で実務経験の違いによる年収の違いを表しています。

イメージとしては、未経験の場合年収は200~350万円程度で、実務経験が長くなるほど年収は上がっていく傾向にあります。

実務年数 平均年収
未経験 200万円~350万円程度
1~2年 300万円~450万円程度
3年以上 350万円~600万円程度
3年以上+英語力 400万円~700万円程度

このように、英語能力があることで平均年収はかなり上がることが分かります。

求人募集が少ないというデメリットも

前述した通り、事務職の有効求人倍率は派遣労働者も含めて非常に高く、経理事務の仕事も非常に人気があります。

それに加えて「未経験可」「未経験者歓迎」の求人は更に競争率が上がってしまいます。

その結果、簿記などの資格を持っていることが応募条件になる場合もあるため、事務に関しては「仕事の奪い合い」発生している状況なのです。

そのため、経理事務員になるには資格を取得したり、求人を探す際の条件を少なくするなどして応募できる求人の幅を広げることをおすすめします。

条件を絞りすぎて、せっかくの求人を見逃してしまうのは非常にもったいないので、様々な検索方法でアプローチしてみてください。

経理に必要なスキルと資格

経理のお仕事

経理事務に向いている人の特徴

ここまで経理事務の業務内容などを解説してきましたが、どのような人が経理に向いているのでしょうか。

向いていない人の特徴も併せて紹介します。

残念ながら向いていない人

以下のどれかに該当する方は、残念ながら経理に向いていない可能性が高いです。

  • パソコンや数字を扱うのが苦手
  • 華やかで目立つ仕事を望んでいる
  • 人とあまり関わらず1人で仕事がしたい

経理事務員になるには、一定のパソコンスキルや計算能力が求められます。

そのため、パソコンや数字の取り扱いが苦手な方は経理事務が向かない可能性が高いです。

また、事務職は裏方作業を担当することが多く、スポットライトを浴びるような派手な仕事は任せられません。

そのため、目立つ仕事やバリバリ働いて注目を集めたい方も経理事務は向かないと言わざるを得ません。

とはいえ、上記に当てはまるだけで「経理事務は向かない」というわけではないので、気持ちの持ちようを変えたり資格取得を目指すと良いでしょう。

経理事務に向いている人の条件

一方で、以下の条件を兼ね揃えている方は経理事務に向いている可能性が高いです。

  • 一定のパソコンスキルがある
  • 集中して仕事を正確に行うことができる
  • 人とコミュニケーションをとるのが得意

経理事務ではExcelの関数などを使いこなす必要があるため、パソコンスキルがある方は経理事務に向いています。

また、早く正確な事務作業が求められることから、集中して正確に仕事をこなせる方も適性があると言えるでしょう。

経理事務に必要な知識

経理事務は専門性の高い職業です。当然、専門的な知識を持っている必要も出てきます。

ここでは、経理の業務をする上で必要になることの多い知識を紹介していきます。

仕訳などの簿記の知識は必須

経理事務員として働く場合は簿記の知識は欠かせないため、できるだけ早い段階で簿記の勉強に着手して基本的な知識を身に着けておくべきです。

簿記の勉強の過程で仕訳や伝票・決算書の書き方など簿記の基礎知識を学ぶことができるため、ぜひ積極的に勉強するべきです。

これらの基礎が身に着いていないと経理の仕事は難しいため、簿記の資格を取得しておくと良いでしょう。

税金についても知っておこう

企業の経営においては、税金は切っても切れない関係です。

税金には所得税・法人税・固定資産税など幅広くあるため、これらの税金の知識を知っておいた方が経理の仕事に生かすことができるでしょう。

さらに、海外進出している商社などで働く場合であれば、国ごとの関税も知っておくと良いでしょう。

税金の関する知識は様々な場面で役立つため、簿記の勉強と一緒に学んでおくと良いでしょう。

経営に関する知識も役立つ

会社によっては、経理部門の担当者が財務を分析して経営陣にアドバイスをするケースがあります。

その際に、経営者視点の知識があればより的確なアドバイスができるため、経営に関する知識も身に着けておくと信頼を得ることができるでしょう。

具体的な経営のイメージを持つためにも、自分の私生活で家計簿や資産状況のメモを作り「損益計算書」と「貸借対照表」を作成すると良いでしょう。

それらを会社規模で考えてみることで、企業会計の全貌を把握することができ、有益なアドバイスができるようになります。

経理事務で求められる資質

経理の仕事において求められるスキルにはどのようなものがあるのでしょうか。ここではそれをいくつか紹介していきます。

パソコンスキルは必須

経理は会計ソフトを使用して業務を行うことが非常に多いため、パソコンスキルが必要不可欠です。

またワード・エクセルなどの基本的なマイクロソフトオフィスツールをスムーズに使いこなすことができれば、実務に生かすことができるでしょう。

特に、エクセルの関数やグラフ作成のスキルは資料作成のために欠かせないものなので、自発的に勉強すると良いでしょう。

コミュニケーション能力をつけよう

経理は交通費などの経費精算や債権債務を扱うため、他部署の社員や取引先とコミュニケーションを取ることも多いです。

スムーズに仕事を進めるためにも他人と良好な関係を築くコミュニケーション能力は必須であり、仕事上言うべきことをはっきりと伝える芯の強さも求められます。

このように、円滑なコミュニケーション能力と芯の強さのバランスを取りながら仕事を進める必要があるため、経理事務員になるには対人能力が高いことも必須です。

正確性を保ちながら業務をこなす

経理の仕事は小さなミスでも大問題になりかねないので、正確性が求められます。

初めは上司や先輩がチェックしてくれためある程度のミスは許容されますが、独り立ちするためにも常に緊張感と責任感を持って仕事に取り組むと良いでしょう。

慣れてきて一人でスムーズに仕事ができるようになると会社から信頼を得ることができるため、常に正確性を意識することは非常に重要です。

計画性と実行力も大切

経理に関わる仕事だけでも幅広くあり、場合によっては他の事務仕事まで任されることもあるでしょう。

そのため、しっかりと仕事の計画を立てながら、それに則って仕事をスムーズに進める段取りのスキルも求められます。

しっかりと計画を立てて実行することで自分のスキルも上がっているため、この点を常に意識すると良いでしょう。

30代以降もニーズはある?

一般的に、30代以降になると未経験での転職が難しくなります。

ただし、簿記の知識やコミュニケーション能力を兼ね揃えており、会社の役に立つと評価してもらえれば年齢や経験に関係なく採用されます。

社会人経験も役立つ

経理の実務経験は無くても、異業種での経験とビジネススキルを経理に活かせそうであれば、積極的にアピールするべきです。

例えば、営業事務や金融事務を経験したことがある方であれば、見積書などの伝票類を扱う経験や請求書発行・入金処理などをそのまま経理事務に活かすことができるでしょう。

また、事務職の経験がある方でエクセルなどのパソコンスキルに精通している方であれば、スムーズに経理事務の仕事に着手できると評価してもらえます。

このように、これまでの経験で経理事務に生かせそうなものがあれば積極的にアピールして「自分は使える人材である」ことを伝えましょう。

経理事務として働くメリット

親指を立てる人

達成感・やりがいは大きい

経理事務員は企業の経営にとって必要不可欠な存在であり、経営を支えているというやりがいと充実感が大きい仕事です。

経営陣や他の部署に対してアドバイスをすることもあるほど重要な役割を担っているため、「自分が会社に貢献できている」という実感を得やすい部署と言えるでしょう。

このようなやりがいがあれば仕事のモチベーションも保ちやすくなるため、この点は経理事務員の大きな強みと言えます。

経営や会計について学べる

経理の仕事に携わっていると財務は決算などを担当するので、自然と会計の基礎知識やスキルを実践的に学ぶことができます。

この知識やスキルはどの企業でも通用する貴重な経験なので、その後の職業人生を豊かにする意味でも非常に有意義です。

初めは単純な事務作業が中心となりますが、徐々に仕事の幅が増えて幅広い知識を得ることができるでしょう。

また、会社の経営を支えているので経営陣に近い立ち位置で会社経営の現状や課題を把握し、有益なアドバイスができるようになります。

キャリアステップが明確

経理事務員として働く初めの頃は日次業務などの単純な作業が中心となりますが、徐々に経験を積むことで月次業務、年次業務、財務管理などを任されるようになります。

このように仕事の幅が広がることでよりやりがいや達成感を得ることができるようになり、ゆくゆくは経営陣と近い場所で働けるようになります。

自分に自分がキャリアアップしていることが分かりやすく実感できる点も、モチベーションを維持しやすいと言えるでしょう。

転職や収入アップが可能

経理の仕事は全ての企業で共通しているため、1度必要なスキルを身に着ければどの企業においても即戦力として評価してもらえます。

同じ会社の中でも、経理としてキャリアアップしたり資格を取得することで給料がアップしたり資格手当が支給される可能性もあります。

このように、自分の頑張りや努力が収入アップやスキルアップに直結するため、この点も大きな魅力魅力と言えるでしょう。

未経験から経理になるには

笑顔の女性

未経験から経理に転職するステップ

未経験からでも経理事務に転職することは可能です。

しかし経験がある方より転職難易度に差があることは確かです。ここでは未経験者が経理事務に転職するために取るべき対策をいくつかご紹介します。

資格を取得して実務経験の差を埋める

実務経験が無い方の場合は、選考の過程で経験者より不利になってしまう点は否めません。

しかし、資格を取得することにより知識やスキルを身に着けていることを証明できる上に、資格を取得するために行った努力や熱意が評価されるというメリットがあります。

そのため、企業に応募する前に簿記などの関連資格を取得しておくことは非常に有意義なのです。

なお、経理事務員として働く上でおすすめの資格に関しては、この記事の最後にある「経理への転職におすすめの資格16選」を参考にしてください。

前職から活かせるスキルを探す

前述した通り、異業種で働いていた経験の中でも経理に活かせるスキルは多くあるため、キャリアの棚卸は慎重に行いましょう。

自分が行った業務や身に着けたスキルを細かく書き出して、経理の仕事に生かせそうなものを探すと良いでしょう。

また、経理として現在働いている方や過去に働いていた方に話を聞くと、実務上での役立つアイデアやアドバイスをもらえるでしょう。

未経験でも採用担当者を攻略する方法

未経験者は有経験者よりも不利になってしまいますが、それでもしっかりと自分をアピールできれば採用されます。

簿記の資格などを取得している方やパソコンスキルがある方は基本知識と実務上のスキルがある程度身に着いているため、企業側にとっても指導や引継ぎが楽になるメリットがあります。

また、即戦力になりやすいと評価してもらえるため、好印象を与えることができるでしょう。

なお、コミュニケーション能力があるかどうかも採用側が特に重視しているポイントです。

「面接官からどのように思われているか」を常に意識して、魅力的に映るようにアピールすることを心掛けましょう。

履歴書・職務経歴書の書き方

転職の際は履歴書や職務経歴書を記入する必要があります。

ここではその書き方やポイントについて解説していきます。

履歴書を書く際の基本

履歴書や職務経歴書を書く際には、誤字脱字が無いように気を付けたり綺麗で見やすい字で書くように心がけましょう。

これらの点は履歴書を書く上で基本的なマナーなので、しっかりと守るようにしてください。

特に、経理は正確性が要求される仕事なので、正確な履歴書を書くことが非常に重要です。

分からない点や疑問があったら逐一調べて、ミスをしないように細心の注意を払いましょう。

まずは自己分析が肝心

どの業界への就職や転職を目指す際にも、徹底的な自己分析は必要です。

まずは自分の職歴や前職で得た経験やスキル・実績などを具体的にたくさん書き出して、自分の中で整理してみてください。

その中で、協調性・集中力・PCスキルなど自分の強みを言語化していき、経理に活かせるものをピックアップすると良いでしょう。

また、アピール材料がピックアップできたら、具体的なエピソードを交えて説得力のある自己アピールをしていきましょう。

志望動機で熱意を伝えよう

自己分析で同時に、なぜ未経験で経理事務の仕事に就きたいのかという志望動機もしっかりと考えておく必要があります。

また、経理事務として今後どう働きたいかという目標やビジョンを伝えることで、本気度をアピールすることができます。

その上で企業についてもしっかりとリサーチしておき、応募先の企業を選んだ志望動機を明確にしておくことも重要です。

説得力のある志望動機を準備しておかないと本気度が伝わらないため、しっかりと準備しておきましょう。

他と差をつける自己PR例

そでは、自己PRの例を紹介していきます。

「前職の営業事務では、請求書などの書類作成や受発注データの入力を行い、経理部門やクライアント企業ともやりとりも重ねてきました。正確に業務を遂行することはもちろん、関係各所との連携を重視しておりました。営業事務で培った経理・会計業務の経験やコミュニケーション力を生かして、貴社の経営を支えたいと考えております。」

以上の自己PRでは、営業事務と経理事務の仕事の共通点を挙げて、前職での経験を活かせる点を上手に説明できています。

また、心掛けていた点を伝えることで実務能力が高いこともアピールできています。

さらに、前職でのコミュニケーション能力も伝えることができているため、非常に魅力的な志望動機と言えるでしょう。

「私は慎重な性格で、正確に仕事を行うことを得意としております。前職は飲食店でホールスタッフを務めており、一日の最後に売り上げを確認するためレジ締めを行っておりました。その際に確認を徹底することで、3年間、私が担当したレジでは一度も誤差が生じたことはありませんでした。

また経理に関する知識を深めたいと考え、簿記2級を取得しております。

どんな時も正確性を重んじ、これからも経理の勉強に励むことで貴社に貢献していきます。」

以上の例文では、事務以外の仕事でも経理に活かせるスキルを上げて、自身の具体的なエピソードを交えて効果的にアピールできています。

また、簿記2級という仕事に直結する資格を取得していることにより、知識と本気度をアピールできている点も魅力です。

このように、自身の経験と今後の目標などをうまくリンクさせることで綺麗な文章が出来上がり、相手に好感を持ってもらえる自己PRが完成します。

面接でアピールするコツ

清潔感のある服装や気持ちの良い挨拶などは、面接における最低限のマナーです。

これらは社会人としてもわきまえておくべきマナーなので、悪印象を与えないためにも必ず確認しておきましょう。

また、面接において志望動機はほぼ必ず聞かれるので、スムーズに答えられるように事前に準備しておきましょう。

志望動機などの質問に答えるときは明るく喋ることで、コミュニケーション能力の高さを伝えることができます。

「相手にどのように思われているか」を常に意識して、好印象を与えられるように心掛けてください。

経理で需要の高いおすすめ資格16選

部屋のパソコン

経理事務への転職において、資格を取得することは成功するための一つの有効な手段です。

ここでは経理において需要の高い資格を紹介しますので、未経験や資格なしの状態から経理事務への転職を希望される方はぜひ参考になってください。

経理の王道資格「日商簿記検定」

経理事務を目指す方にとって、王道とも言える資格が日商簿記です。

日商簿記の勉強を通じて財務諸表や企業の経営管理など、経理に必要な基礎知識を幅広く学ぶことができます。

難易度は4級~1級まで分かれており、履歴書に自信を持って書けるのは2級からとなります。

なお、2級の合格率は14%前後で推移しており、合格のために必要な勉強時間は200時間程度と言われています。

そこまで難易度は高くないので、2級の勉強を早い段階から着手することをおすすめします。

実務スキルを測る「FASS検定」

FASS検定は「資産」「決算」「税務」「資金」の4分野から構成されており、簿記よりも実務が問われる特徴があります。

なお、試験結果はレベルA~レベルEまでの5段階で評価され、就活でアピールするためには最低でもCランクは取っておきたいところです。

FASS検定の受験を推奨する企業も増加しており、自分の経理スキルのブラッシュアップとして受験するのもおすすめです。

実践的な「経理事務パスポート検定(PASS)」

PASSは全ての業界で活かせる経理知識を、eラーニングで学習した上で受験するスタイルです。

気軽に受験できる点も魅力なので、初心者に特におすすめな検定試験です。

難易度は1級~3級の3段階に分かれており、就活でアピールするためには月次業務などにも役立つ2級以上の取得を目指すべきです。

給与に特化した「給与計算実務能力検定」

給与計算実務能力検定は一般財団法人職業技能振興会が主催している試験で、合格していることで経理に欠かせない給与計算業務に関する実務能力を証明できます。

経理の部署にいる限り給与計算の仕事にはほぼ必ず携わるので、この資格を持っていると大きな武器になります。

難易度は1級と2級に分かれており、1級でも合格率は60%近くある比較的簡単な試験なので、ぜひ1級を目指してみてください。

会計ソフトを使いこなす「電子会計実務検定」

電子会計実務検定では、会計システムの基本的な知識を身に着けることができ、また税金の電子申請について学ぶこともできます。

多くの企業では経理業務において会計システムやソフトを活用しているため、この検定の勉強をしておくと非常に有益なスキルを習得できるでしょう。

試験は1級~3級まで分かれており、できれば2級を取得しておくことをおすすめします。

会計知識がつく「ビジネス会計検定」

財務諸表を作成する力を身につける簿記検定とは違い、ビジネス会計検定では作成した財務諸表をベースに企業状況を分析する力まで習得できます。

試験は1級~3級に分かれており、独学も可能な2級を目指すことをおすすめします。

簿記の発展系の検定なので、この資格を取得しておけばかなり高い評価を得られるでしょう。

知名度が高い「国際会計検定(BATIC)」

BATICの試験は全て英語で出題され、英文簿記と国際会計理論の2科目で構成されています。

会計や経理の知識だけでなく英語力も求められる試験なので、外資系企業やグローバル展開している企業への就職を目指す際には取得しておくと良いでしょう。

なお、試験はスコア毎に4つの称号が与えられますが、その中でもアカウンタントレベルを取得しておくと良いアピールとなります。

金融系でも有利な「ファイナンシャル・プランナー(FP)」

FPは税金や投資まで幅広くお金について学ぶことができ、国家資格の「FP技能士」と民間資格の「AFP・CFP」の2種類に分けられます。

「FP技能士」は一度合格すれば更新の必要がなく生涯有効な資格なので、こちらの方が人気が高いです。

試験は1級~3級まであるため、実務でもアピールできる2級を取得しておくことをおすすめします。

税務の国家資格「税理士」

税理士は税務のスペシャリストであり、難易度が高く非常に専門性の高い資格です。

取得すれば高い年収が期待できるだけでなく、独立開業して年収1000万円以上を目指すこともできる非常に魅力的な仕事です。

難易度は非常に高いため、合格するためには数年単位の長期的に勉強計画を立てる必要があります。

とはいえ、取得できた際のメリットは絶大なので、税務のプロを目指したい方は税理士を目指すべきです。

基本的なPCスキルを試す「MOS」

MOSは、マイクロソフトオフィスのワード・エクセル・パワーポイント・アクセス・アウトルックの5つの分野から選んで単科で受験することができます。

経理事務ではワードやエクセルを使用する機会が非常に多いので、MOS受験を機に基本的な使い方を覚えると良いでしょう。

また、これらのスキルはどの部署でも活用できる汎用性の高いものなので、MOSの勉強をするメリットは非常に大きいです。

パソコン技能を習得する「日商PC検定」

日商PC検定では、プレゼン資料や文書作成、データ分析などビジネス実務に特化したスキルを学ぶことができます。

難易度はベーシックと3級~1級に分けられており、経理に活かしたい場合はIT知識を学べる2級の取得を目指すと良いでしょう。

パソコン技能を習得するメリットは非常に大きいため、こちらの検定の勉強も非常におすすめです。

文書作成を学べる「ビジネス文書検定」

ビジネス文書検定では、ビジネス文書の形式や特有の用語、実務でよく使う言い回しなどを学ぶことができます。

経理事務は文書作成をする機会が多いので、この検定を取得しておけば実務で役立つスキルを習得できるはずです。

難易度は1級~3級までありますが、2級程度を取っておくと良いアピールとなります。

書類保存に特化した「文書情報管理士」

文書情報管理士は、帳票類や伝票類などの紙の文書をスキャナで保存をしたり、書類を安全に長期保管するための技術と法律や規格などの知識を測るための試験です。

難易度は上級・1級・2級に分かれていますが、経理事務を目指す場合であれば2級程度を取得しておくと良いでしょう。

書類の保管義務を怠ってしまうのは信用問題に関わるため、この資格を取得しておくことで信頼を得ることができるはずです。

ビジネスマナーを習得する「秘書技能検定」

秘書技能検定の勉強を通じて、ビジネスの場において適切な礼儀や言葉遣い、文書作成の方法などを学ぶことができます。

試験は3級・2級・準1級・1級の4つのレベルに分かれており、経理事務を目指す場合は準1級以上を取得すると良いでしょう。

ビジネスマナーはどの企業でも活用できるスキルなので、勉強をして損をすることはありません。

ビジネス英語が身につく「TOEIC」

ビジネス英語の能力を測るTOEICにおいて、高いスコアをマークしていればグローバル企業や外資系企業などへの転職に有利になります。

試験は990点満点であり、外資系企業などで働く場合は最低でも700点以上はマークしておく必要があります。

近年はグローバル化に合わせて海外進出をする企業も多いため、TOEICで学んだことは貴重な財産となるはずです。

語学力を証明する「英検」

リスニングとリーディングのテストが軸であるTOEICと違い、英検ではライティングやスピーキングを含めた4技能を測ります。

試験は1級から5級まで分かれており、仕事で役立てたい場合は最低でも2級は取得しておくと良いでしょう。

ぜひTOEICと併せて英検の勉強も行い、英語力を鍛えていきましょう。

年代別・転職での注意ポイント

男性の疑問

経理事務への転職において、年代別に気をつけるべきポイントは変わってきます。ここでは20代・30代・40代に分けてご紹介します。

20代は数十年後に活躍すると思われるか

20代は将来性を評価されやすいため、他の年代より未経験でも採用されやすい傾向にあります。

そのため、今後成長したいというやる気をアピールして将来的に会社を支えられる存在になれる点を伝えると良いでしょう。

また、熱意だけでなく経理職に役に立つスキルや資格があれば、それらを交えて自己PRすることで説得力を持たせることができます。

30代は即戦力となるかが大事

30代は20代とは違って熱意だけで採用されることが難しく、即戦力として働けることが重要になります。

そのため、前職でどのような経験を積んでどのようなスキルを身に着けたのか、またそれらの経験をどのように経理職に活かすつもりなのかを明確にしましょう。

30代で未経験の場合は、年下が先輩となり指導を受けることもあるので、協調性や謙虚さなどの人柄面も重視される点は押さえておいてください。

40代は人をまとめる力が要求される

40代は一般的にリーダーや管理職となる年齢なので、未経験での転職はより厳しくなります。

ただし、部長職や課長職を務めていた経験があれば、リーダーシップがあると評価されて採用に繋がるケースがあります。

また、40代で採用された場合は2~3年ほど平社員として勤務して、その後に管理職になることも少なくありません。

そのため、時間やお金をしっかり管理できるかどうかも重要な評価ポイントと言えます。

未経験からの経理転職についてまとめ

経理事務になるには、しっかりと自分の適性や志望動機を魅力的にアピールする必要があります。

また、資格を取得しておくことで魅力的なアピールになるため、ぜひ積極的に資格取得にも励みましょう。

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