弁護士バッジの天秤・ひまわりマークの意味は?金色の記章を紛失した際の対応法まで解説!

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弁護士の証ともいえる弁護士バッジ。ドラマや映画でもよく見かけますよね。ひまわりと天秤をモチーフにしたおしゃれなバッジですが、どんな意味があるかご存じでしょうか?

ここでは弁護士バッジの意味について紹介します。モチーフの意味はもちろん、金バッジと銀バッジの違いも説明します。また、あまり知られていないバッジの再発行も同時に解説していきます。

弁護士バッジの意味とは

  • 弁護士バッジはひまわりと天秤がモチーフになっている。
  • それぞれ「自由と正義」・「公正と平等」の象徴。
  • 基本的に金メッキの銀製で純金製も発注できる。
  • 紛失時も再発行できるが、紛失してはいけない。

弁護士バッジのひまわり・天秤マークの意味とは

天秤

弁護士バッジの正式名称は弁護士記章です。ひまわりをかたどったバッジの中央には天秤(てんびん)のマークが描かれています。弁護士としての身分証明にもなり、スーツにつけると身が引き締まる思いがすると言われています。

「自由と正義」・「公正と平等」

弁護士バッジのモチーフになっているひまわりと天秤には意味があります。ひまわりには「自由と正義」、天秤には「公正と平等」の意味があります。

真夏のシンボルともなっているひまわりは太陽に向かって伸びていき、大きな花を咲かせます。茎は何本も伸びたりせず、太く立派なものが一本だけです。

その信念を持った堂々としたたたずまいから公明正大な弁護士を表す花としてふさわしいとされています。「自由と信念」とは弁護士が重んじている価値観です。

天秤は弁護士だけでなく、裁判所全体の象徴として用いられています。裁判とは法の下の平等、すべての人間は平等であるという原則の下に行われます。

弁護士は依頼人の利益のために活動しますが、平等で公正な審判という理念そのものは変わりません。「公正と平等」は法に携わるものに必須の価値観です。

弁護士バッジは金で出来ている?

硬貨

基本的に純銀製

弁護士バッジにはひまわりがあしらわれているので、黄金色のイメージがあるかもしれません、しかし、実は弁護士バッジの材質は金ではなく銀です。バッジ本体を銀で作ったうえで、金メッキが施されています。

メッキは時間とともにはがれていき、やがて地の銀が露出してきます。つまり、モチーフのひまわりのように輝く黄金色をしているのは新しいバッジだけなのです。

言い換えれば、ベテランの弁護士のバッジは銀色をしているということです。この弁護士としてキャリアを積む間にバッジが銀に変わっていくところに弁護士バッジの良さがあると言われています。

純金製も可能

普通の弁護士バッジは銀製ですが、申請することで純金製のバッジをつくることもできます。しかし、純金製のバッジを申し込む人はほとんどいません。

理由は大きく二つあります。一つは銀色のバッジがベテラン弁護士の証と考えられていることです。後述のように、若手の弁護士は銀バッジにあこがれているので、金バッジにあまり魅力を感じていないのです。

もう一つは弁護士バッジをつけなくても弁護士としての活動ができることです。原則的にはバッジを身につけることとされているのですが、実際には弁護士バッジをつけていない弁護士も多いのです。

このような理由から、純金製の弁護士記章がつくられることはめったにありません。

ベテランは銀色

これまで見てきたように、弁護士バッジは交付される時点では金色です。そして、時間の経過とともに金メッキがはがれてしまい銀色のバッジへと変わります。

金色・銀色の区別なく弁護士バッジは司法試験に合格していることを示すものです。どちらのバッジも格好よく、受験生にとっての憧れの品です。

しかし、業界では銀のバッジとはメッキがはがれるくらいのキャリアがある証と考えられています。言い換えれば銀のバッジとはベテラン弁護士の証です。

そのため、若手の弁護士の中には自分でメッキをはがす人もいるようです。メッキをはがしただけでキャリアが身につくことはありませんが、クライアントから信頼を得る際に役立つ場合もあります。

大切な記章は紛失しないように

虫眼鏡

弁護士バッジ弁護士としての身分を証明する大切なものなので、絶対になくしてはいけません。万が一紛失してしまったとしても、再発行は一応可能です。

しかし、バッジの偽造を防ぐために再発行した回数が記載されてしまいます。また、弁護士バッジを紛失したことが国の発行す官報で「弁護士記章紛失広告」という形で全国的に公表されてしまいます。

さらに、再発行されるバッジは金色の新品です。それまでの弁護士活動の中で銀色になっていたとしても、どれだけのキャリアがあるのかわからなくなってしまいます。

弁護士記章を紛失した場合には最高裁判所などに届け出る義務もあります。もちろん、弁護士記章再発行手数料として料金も必要です。

このような事情から、弁護士バッジは紛失しないように注意するべきです。業務自体に差し障りがないからといって、なくしたまま放置してはいけません。

正義と天秤の関係

看板

弁護士バッジにあしらわれているように、天秤は法や正義のシンボルとされています。これはギリシアやエジプトの神話に由来しています。

ギリシア神話では天秤はてんびん座の元になった女神アストレイアーの話がよく知られています。正義を司る女神で、道徳と悪徳を天秤で量ると言われています。

かつて人類が道徳的であった頃は天秤も道徳の側にしか傾いていませんでした。しかし、人類が堕落するにつれて天秤は悪徳に傾いていきます。そして、ついには女神自身も人間界から去ってしまいます。

しかし、人類の正義を信じていた女神は自分がいなくなる時に天秤を空に残していきます。ここから、天秤は人類における正義の象徴とされるようになったと言います。

エジプトでは正義の神マァトが、キリスト教では天使ミカエルが死者の善行と悪口を天秤で量るとも言います。このように、天秤を正義の象徴とみなす考えは世界各地で見られるのです

弁護士バッジの意味まとめ

弁護士バッジの意味まとめ

  • 弁護士バッジは弁護士の身分を証明するもの。
  • メッキのはがれてきたバッジはベテランの証。
  • 再発行にはペナルティがある。

ここでは弁護士バッジについて紹介しました。いかがでしたか?弁護士バッジは天秤とひまわりがモチーフになっています。それぞれ「自由と正義」・「公正と平等」という弁護士の価値観を表すものです。

基本的に金メッキ製なので時間が経つとはがれて銀色になってしまいます。この銀色のバッジがキャリアのある弁護士を表すものとみなされています。

弁護士バッジは弁護士身分証明でもあります。再発行には色々なデメリットがあるのでなくさないように気を付けましょう!

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